ニュースリリース:東大とIPDCフォーラム 2020年に向けてBluetoothを活用した防災減災情報等のプッシュ型情報配信システムを共同開発  ~ケーブル技術ショー2017に出展~

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2017年7月19日

 東京大学大学院情報学環(以下「東大」という)の中尾研究室(代表:中尾彰宏教授)と民間任意団体IPDCフォーラム(代表:慶應義塾大学 大学院中村伊知哉教授、以下「IPDCフォーラム」という)は、共同で、“Bluetoothを活用した防災減災情報等のプッシュ型情報配信システム” を開発しました。

 現在、スマートフォンで緊急情報を受信するには、通信事業者のSMSを使ったエリアメールや、アプリを使ったインターネット経由での受信が 一般的です。しかし、SMS経由では送れる情報量に制限があります。また特に緊急時には通信事業者やネットの輻輳などが起こりやすく、必ず しも確実に届けることができない可能性があります。さらに、今後2020年に向け飛躍的に増加が期待される訪日外国人に関して、そもそも通信 事業者との契約のない(MVNOを利用している)利用者やSIMを持たないケースも想定され、当然ですがスマートフォンやタブレットではエリアメー ルを受信することができません。訪日外国人の急速な増大に備え、国が2020年に向けて整備を進めているFreeWiFiを用いたインターネット接続 では、利用者数が増えると受信に時間がかかったり、接続手順がそもそも面倒、緊急時に上手くつながらないといった課題が指摘されています。

 このような問題を解決する一つの手段として、このたび東大中尾研究室とIPDCフォーラムは、通信事業者契約やSIMの有無にかかわらず、防災 減災情報を安定的にスマートフォンやタブレットで受信できるシステムを共同開発しました。これまで中尾研究室では、Bluetoothを用いたビー コン機能を拡張し、テキストや画像まで直接配信可能なBeaconCastボックス(注1)の開発を行ってきました。一方、IPDCフォーラムでは、防 災減災情報を配信するために標準化されている防災規格(注2)をさまざまな通信方式に対応するためのワンストップ化を推進してきており、 今回、この両者の取り組みがコラボレーションすることで、 “Bluetoothを活用した防災減災情報等のプッシュ型情報配信システム”が実現さ れました。

 これによって、前述したように、今後急速な増加が期待される訪日外国人に対して、通信事業者契約がない場合でも、地域ごとのきめ細やかな 防災減災情報を輻輳等の心配なく安定的にプッシュ配信したり、接続手順の分かりにくいFreeWiFiへの接続を(Bluetooth内で接続手順等を自動 で配信することにより)ワンタッチ化し、地域ごとの情報の取得をより円滑化するなど、2020年の防災減災分野でのおもてなしを飛躍的に向上 させる可能性が高まると考えられます。もちろん、この仕組みは、平時利用にも活用可能であり、防災減災情報のプッシュのみならず、地域 の情報を面倒なWiFi接続なしで手軽に届ける手段としても活用されることが期待されます。

 なお、本システムは、来る7月20日・21日に、東京国際フォーラムにおいて開催される“ケーブル技術ショー2017(https://www.catv-f.com/)” のテーマ展示ゾーンにおいて、デモンストレーションが行われます。お手持ちのスマートフォンやタブレットで体験いただくことができますので、 以下のアプリをダウンロードしてぜひ会場にて是非とも体感いただければと思います。



■ケーブル×Bluetooth×IPDC 防災情報プッシュ配信のイメージ図


【アプリ名】LimoCast(リモキャスト)

Android(OS 5.0以上) :    iPhone(iOS5以上):


注1:BeaconCastボックスとは
Linux OS を搭載する組み込み型の小型装置で、コンテンツを受け取るとBLEにより一斉同時配信を行うソフトウェアを実装している。

注2:防災規格とは  ※詳しくはこちら
これまで放送では防災情報を詳細に伝送する“規格”が存在しなかったが、2016年3月にARIB TR-B38(VHF-Low帯に適用するセグメント連結伝送方式 による地上マルチメディア放送運用規定)として防災規格が正式に承認された。

本件に関するお問合せ:
・東京大学大学院情報学環 中尾研究室 (info@nakao-lab.org)
・IPDCフォーラム 事務局 尾崎、三上(office@ipdcforum.org)